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『白川郷』へ…。

昨年末、白川郷へ行ってきましたので、
今回はそのお話をさせて頂こうと思います。

一度、雪化粧された白川郷へ行ってみたいと思い、今回の旅を思い立ったのですが、
昨年末は積雪が少なかったにも関わらず、ちょうど出発前夜から、この地域に雪が降ったとのことで、到着すると、見事な雪景色!

 

モノトーンの白川郷が出迎えてくれました!

 

白銀の白川郷を写真におさめてきましたので、しばしご覧ください。

 


であい橋(吊り橋なので、歩くと結構揺れます)

集落の田んぼも真っ白。

合掌造りの民家が立ち並ぶ風景(奥の林とのバランスがいいですね)


山を背に、ポツンと佇む合掌造り家屋(絵になります)

家屋の周囲の茅は雪除け(雪から建物を守るためのもの)

壁際に並べられた案山子


集落の中心にある明善寺。写真は鐘楼門。


集落全体を望むため山の中腹にある展望台へ。


展望台からの眺望(雪景色と相まってなんとも言えない風情を醸し出していました)

 

散策の後、明善寺庫裡郷土館(合掌造り)の内部を見学。


1階の庫裏 


小屋裏(3階)

この合掌造りは、釘や鎹を一切使わず、2本の丸太を棟で交差(合掌)させる叉首構造(和風トラス構造)の屋根が大きな特徴。

屋根勾配が急で45度から60度にもなります。
屋根に大量の雪が積もらないように配慮した雪国ならではの形態ですね。
 皆さんご存じかとは思いますが、
1階の炉から立ち昇った煙が、小屋裏を巡る構造になっており、
煙によって燻された梁は煤で黒くくすんでいますが、この煤は防虫効果があり、建物を長持ちさせてくれます。

また、時間をかけて、煙でじっくりと乾燥した木材は、さらに強度を高めていくので、 築200年を経過した今も、その頑強な姿を私達に見せてくれています。本当の意味での長期優良住宅ですね。 😮

合掌造りは、切妻形式なので、基本、妻面にしか開口部がなく内部は薄暗いのですが、屋根裏は、主に養蚕場として利用されており、逆にこの環境が適していたとのことです。

また、養蚕業は温湿度管理が非常に重要らしいのですが、1階の炉で、その温度をコントロールできるところも、この建物構造と相性が良かったのだと思います。

長々と書いてしまいましたが、

要するに、この合掌造りは、
ただ単に日本の原風景的な豊かな景観をつくりだしているだけではなく、
積雪地域の気候風土、木材の特性を知り尽くした日本人の英知、養蚕という産業との関係、また茅葺きは村民が互いに協力しあうという風習など、『人家一体』となった文化・精神が素晴らしいんですね。

頑丈なコンクリートや鉄骨を使って、何でも自由につくりだせる現在の建築技術は大変ありがたいものですが、現在社会において、このように建物と文化の一体性が高い建築物が一体いくつ造りだされているのでしょうか。『箱モノ』や『スクラップアンドビルド』という言葉と対極の世界をみたような気がしました。

 

ちなみに、今までアップしてきた写真は、
人があまり写ってませんでしたが、実際は、こんな感じで観光客が沢山訪れていました。

特に中国からの団体旅行客が多く、飛騨牛コロッケを爆買いしてました 😯

 

白川郷はメジャーになりすぎて、かなり観光地化しているので、ゆったりと村を散策させたい方は、五箇山の相倉合掌集落がオススメです。
 五箇山 相倉合掌集落

 

 

 

 

矢野

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