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『うだつの町並み』へ…

新年、あけましておめでとうございます。
皆様は、年末年始のお休みはいかがお過ごしでしたか?
僕は毎年、年末に建築探訪の旅に出かけるのですが、昨年末は徳島県美馬市にある
『うだつの町並み』を見学に…。
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諺で、『うだつが上がらない』といいますが、このうだつは建築用語で、屋根の両端部を一段高くし、火災の延焼を防ぐために造られた防火壁のことです。
1このうだつをつくるには当時、相当な費用がかり、裕福な家しか設けることができなかった為、うだつが上がることは富の象徴として捉えられていたようで、冒頭の『うだつが上がらない』という諺は、いつまでたっても出世しない(金銭的に豊かにならない)などの意味となっていったのだそうです。

 

これがその、うだつ。
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元来、防火のための袖壁だったそうですが、通りに面して設置されるため、時を経るにつれて家紋や装飾を纏い、その家の権威を表すものになっていったのだとか。

うだつ、、、おそるべし… 😡

3この町並みがある徳島県美馬市脇町周辺を流れる吉野川流域では、江戸時代の中期より藍の産地で、脇町はその積出し港として栄え、藍の商取引で富を築いた藍商人たちが重厚かつ堅牢な商家を次々に建造していったのだとか。

 

その商家は400mにわたって連なっており、その隆盛を顕示するかのように、通りに面して競うようにうだつを上げていったのだそうです。
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このうだつには店の看板としての意味もあったのでしょうね。

 

こちらは、その通りに面してつくられた脇町立図書館。
6現代建築のように、シンプルモダンでスタイリッシュなデザインではありませんが、この町並みに溶け込むようにデザインされた外観、通りから図書館へと導かれる動線にある庭の公共性、ヒューマンスケールな建築部位、そしてその使われ方を含め、素晴らしい建築。

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大正、昭和の雰囲気が色濃く伝わってくる住宅サイズの『町の図書館』という感じで、住民に愛されてそうです。

年末だったので、図書館の中には入れませんでしたが、正月に帰省している方が友人を伴って、この図書館を訪れていて、小さい頃に良く通っていた時の思い出を楽しそうに、懐かしそうに話す様子がとても印象的でした。

僕たちも、このように、人の幸せな思い出の1ページに刻まれる場をつくっていきたい…。

 

改めてそう感じました。 😉

 

 

最後になりましたが、今年もこんな感じで日々感じたことを、ゆるーく綴っていきますので、

皆様、本年もどうぞよろしくお願い致します。

矢野

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