『塩田千春展』へ…
先日、出張の帰りに森美術館で開催されていた『塩田千春展 魂がふるえる』へ行ってきました。残念ながら、展覧会は10月末で終了したのですが、興味深い内容だったので、レポしたいと思います。
塩田千春さんは、ベルリンを拠点に、記憶、不安、夢、沈黙など、かたちの無いものを表現するパフォーマンスで知られているそうで、なかでも黒や赤の糸を空間全体に張り巡らせたダイナミックなインスタレーションは彼女の代表的なシリーズなのだそう。
この展覧会は写真撮影可のようでしたので、写真も交えてご紹介させていただきます。
まず目を惹いたのが、これっ!
氏の代表作である糸のインスタレーション。
200㎡程度の空間に、まるで『あやとり』のように赤い糸が張り巡らされており、赤い糸の洞窟を思わせる空間に圧倒されます。
続いて、黒の糸。
つくり方は赤い糸と同じですが、黒い糸だからか、なにか不安で寂しさが漂っているような感じがしました。
次は、木製の建具を組み合わせたもの。
使い古された建具で構成された空間からは哀愁を感じさせられました。
最後は、無数のトランク。
使い込まれた無数のトランクケースが、赤い糸で天井から吊るされています。
トランクの位置がスロープ状に高くなり、トランク面の下に入り込めるような空間へと変化していきます。
塩田さんの趣旨とは違うと思いますが、空間デザインの観点からみても面白かったです。
単なる『物』でしかなかった物が、同種の組み合わせによって空間を構成し、物の持つ印象が空間の雰囲気を方向づけるという手法が非常に興味深いです。
勉強になりました!😀