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フンデルトヴァッサー

ひさしぶりに、大阪市の舞島に行ってきました!

舞島を象徴する建造物といえば、
ウィーンの芸術家、故フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏が
デザインした舞島工場(ゴミ処理施設)

一時期、税金の無駄使いとメディアで騒がれた公共施設なので、
ご存じの方もいらっしゃるかも…?

でもこうやって、改めて眺めてみると、
デザインの好みの問題こそあれ、ゴミ処理施設のイメージを明るくすることには
貢献しているなーと感じました。
まさに、デザインの力ですねっ! 😀

市場谷

「下町ロケット」なるモノ…。

ロケットストーブのブログの次に、下町ロケットって、、、ってロケット感出し過ぎな感じもしますが。
最近、この本を読了したので、感じたところなど綴ってみようと思います。


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矢野

フィールド建築設計舎

  • Date:2014.02.17|
  • Category: 工房
  • Comments((0))

住吉大社反橋

久しぶりに住吉大社に参拝…。
境内にある太鼓橋(住吉反橋)の姿をスケッチして参りました。
実像と、水面に映った虚像が一体となって美しい景観をつくりだしており、
浪速の名橋50選に選ばれていることに納得 🙂
いつまでも残したい風景ですよね。。

 

市場谷

『堺の保育園』について

『堺の保育園』の概要

・施設用途 : 保育園(定員100名 対象0歳~5歳児+一時保育)
・工事概要 : 旧園舎で保育活動を継続しながらの建替工事(詳細→click here!
・主要諸室:保育室、事務室、調理室、会議室、倉庫、子供室、職員用・幼児用トイレ他
・階数/構造 :  3階建/鉄骨造
・敷地面積/建築面積/延床面積
 : 748.94㎡/448.03㎡/847.13㎡
・付加設備 : エレベーター、太陽光発電パネル、壁面緑化用灌漑設備、屋上部プール設備

・この保育園の特徴:以下に記載しておりますので、宜しければご覧ください。

 

堺の保育園では、下図のように、保育室が中庭を取り囲んでいます。

風通しが良く、両面採光の明るい保育環境とするため、園舎の中心に中庭を設けましたが、
折角なら、より『中庭型』の長所を活かした計画にしようと検討を重ねた結果、

 

中庭を、『青空保育室』と捉えるアイデアが生まれました。


竣工後の様子(青空保育室での色水遊び)

 

『青空保育室』とは、室内保育の延長空間として、お日様の下で、お絵かきや本読みができる場。
水遊びなど、室内では困難な活動も、このスペースが補完してくれます。
床はデッキ材。 下足に履き替える必要もなく 、全保育室に接しているので、気候さえ良ければ、気軽に利用できるところが利点。

無論、保育室と園庭が連続する保育園が理想的だと思いますが、
都市部の保育園では、敷地面積や形状の関係で、園庭から遠ざかる保育室もつくらざるを得ません。 そんな時の解決策の1つとして…。

 

そんな中庭(青空保育室)を、さらに豊かな場とするため、中庭に面して大階段を設置。

 

建設残土を再利用して、中庭を1.5階(階段踊り場)に配置することにしました。
上図のように1.5階(踊り場)に配置すると、中庭が1階、2階の両保育室から等距離となり、平面的にだけでなく、高さ方向にも、保育室の中心に位置付けられます。

 

こうすることで、中庭や保育室にいる園児と、先生の目線が重なりやすくなり、
両者の心理的距離感も近づきます。

 

保育園は、園児が主体の建築なので、
園児目線で考え、可能な限り各部の高さを抑えた方が、園児にとって心地よい空間となります。

中庭と2階保育室の関係 : 先生が手を伸ばせば、園児と握手できる距離


 

長くなってきましたが、中庭と大階段の関係に話を戻します。
中庭と大階段の関係(手前:中庭   奥:大階段)

 

本園では動線の要となる階段を昇降する度、来園者が中庭ではしゃぐ園児の姿から元気をもらえるよう、中庭の手前に階段を配置しています。

大階段:写真右が中庭。 フルオープンの扉を開ければ、中庭と一体の空間に。 

 

この階段は、通常の動線利用だけでなく、
学芸会などでは、【中庭】→【舞台】 【階段】→【スタンド席】  【2階廊下】→【張り出し席】とすることで、簡易な劇場やホールとしての活用もできる設計としました。

手前:大階段→スタンド席   奥:中庭→舞台
大階段
平面図:大階段と中庭(青空保育室)の関係


大階段に座って、お遊戯のレクチャーを受ける園児たち
お泊り保育
 お泊り保育時、大階段に座ってプラネタリウム観賞する園児たち(先生撮影)

 

さらに、この階段が保育園の中心的な役割を果たすよう、もう2点ほど工夫を…。

 

まず1点目は、階段脇の手摺をタテヨコの木製ボックス棚で製作し、
階段を、園児の作品発表などの多目的展示に使えるギャラリーに…。

階段は上下階の動線の要。
園児を送迎する保護者をはじめ、来園者が自然と作品を目にされることを期待して
ギャラリーを設置しました。 

このギャラリー、実際に作品の展示棚としてご利用いただいているそうですが、
ひなまつり2
作品以外にも、2方ある階段(平面図:階段A)の1方を、雛壇に利用させているとのこと。
先生のアイデアで、園舎の使い方を応用していただけて、私達も大変うれしいです!

 

もう1点は、大階段下の子供室。

大階段下の余剰空間(目的のスペースを確保して余った空間)を活用した
園児達の秘密基地のような場所。
6.
上のCGのように、ちょうど子供の背丈くらいの空間が広がっています。

外部から見ると、下写真のような感じ。
家型ボックス上部が大階段、その下に子供室という位置関係です。

 

再び内部。
室内は天井高さも90cmと低く、高い所でも150cm。 子供サイズの空間です。

家型の杉板積層パネルで空間を覆い、田の字に刳り貫いた開口から
ほのかな光が射し込む非日常空間。

この小さな空間では、
お喋りするにしても、お絵かきするにしても、ワクワク感が…。
それは大人サイズの大きな空間にはない、この部屋の魅力。

大人も童心に帰ってハイハイしたくなる…。
そんな気分にさせてくれる場所です。

 

 

以上で、作品についての説明は終了です。
長文にもかかわらず、最後までお付き合いくださいまして有難うございました。

最後になりますが、園児達が、この園舎で楽しい思い出をたくさん作り、
この保育園で学んだことが、無限の可能性に満ちた彼らの将来への端緒となることを願います。 😀

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