外観
・黒の杉板塀とシルバーの金属屋根が強調されたシンプルな外観。
・木々に囲まれた場、物見台のような場、屋根裏のような場、そよ風が心地よい場、空を間近に感じる場、薄暗がりの場。
趣は一つながらも、多様な雰囲気の場を持つ住まい。読書一つとっても、そのときの気分にあわせて好きな場所を選べる空間構成に…
・葉っぱのような大屋根は、単なる飾りではなく、立派な構造体。 この大屋根が風や地震力をバランスよく下部構造へと分散。 それによって通常必要となる梁や束などの小屋組材を無くし、1階、2階、その先のロフトへと続く開放的空間を実現。 力の流れを素直に表す構造体、それを魅せることがデザイン。
LDK
・2階個室に設えた室内窓は開閉可能。 閉じるとトップライトの反射板に。
庭に張り出した和室のコーナーウィンドウ
縁側
四季の風情に彩られた庭に張り出たリビングと、それを囲む縁。隣近所も集まる、住まいの中心的な場。
大屋根の天窓から射し込む日の光のシークエンスは、杉板壁に影を落とし、漆喰の大屋根を照らし、住まいに命を吹き込む。
自然光、それは住まい手にとって必要不可欠なモノ、そして建築に躍動感を与える最高の素材。
LDK(4連大型引込戸を閉鎖時)
・2.2mの壁が、通行量の多い道路からプライバシーを確保。4連大型引込戸の上部には入れ子状の引違窓を設え、戸を閉めたままでも換気が可能。
LDK(4連大型引込戸を開放時)
・縁に面した4連の木製掃出窓は高さ2.4mで2面とも完全引込み可能。小春日和の日、全開すればリビングが庭に溶け込むような錯覚を覚える。まるで庭の中で暮らしているような開放感。
縁・庭(4連大型引込戸を開放時)
・室内、庭、敷地外から借景した林の風景が1つに…。
縁・庭
・緑に囲まれながら、書き物やお茶できる縁側。
2階個室
・1階-2階-ロフトまで大屋根と空間が連続。 耐震壁以外の壁がないワンルームを基本とし、音が気になる、空調したい、一人になりたい時、引戸で個室化できる住宅に…
造付机の下で、再び命を吹き込まれた金襖。 骨董屋巡りがご趣味のご主人が、この時のため、長年かけて収集されてきた子供のような一品。
新しいモノの中に、古いモノを織りまぜることで、歴史や記憶、そして思い出が紡がれていく。
庭を愛でる…。その情感も見る場所、見る角度によって様々。縁に座り、草花の花弁を見つめる。1階から視界一杯、庭を見渡す。
そしてこのように、2階から庭全体を眺める。庭の見え方についてスタディーし、空間構成に反映。
2階個室
・3層目のロフトを望む。 ロフトには梯子で。
3層目のロフト
・大屋根の最後部に位置するロフト。奥は換気用の開閉窓で、窓に面してテーブルを設置。 隠れ家的スペースとしての活用も。
和室
・光と影を主題とした和室。右奥のコーナー障子を開ければ、庭の風景が掛軸に 。
・水盤に見立て、ピアノ塗装を施した床台。 障子を通してほのかに照らされた茶器が、床に映りこむ。
バスルーム
・緑に囲まれ、陽光が射し込むバスルームは、大型窓を開け放って露天風呂に。 湯冷ましにテラスで寛ぐことも。
玄関土間
・外部壁、ガラス窓、照明のバランスを整え、内外の関係性が曖昧になった玄関。
リビングから玄関を望む。
緑と白玉石のコントラスト
棟上げ時の餅まき。近隣の方が集い、一大イベントとなった。