favorite place vol.14『歴史の見える丘』
歴史の見える丘。
この名前だけではどこか分かりませんが、
ジャパンマリンユナイテッド呉工場(旧呉海軍工廠)の造船工程と呉市街、呉港が見渡せる小高い丘につくられた小さな公園のことです。
先日、広島県の呉市に行った折、立ち寄ってみたのでご紹介します。
この丘に着いてまず目に飛び込んでくるのは巨大なクレーン、建造ドックなどが配置された広大な造船所の敷地。
写真では分かりにくいかも知れませんが、見渡す限り造船所で、思わず「おお…!」😀と声が出てしまうくらい圧倒的な迫力があります。
旧呉海軍工廠時代には、大和、長門、赤城などの戦艦を建造していただけあって、造船所としても国内有数の規模。
現在も大型コンテナ船、タンカーなどを建造しているようです。
国内には数多くの造船所がありますが、このように丘の上から造船所の全景を一望できるスポットというのはかなり珍しいと思います。
あまりにも造船所の敷地内が見渡せてしまうので、
呉海軍工廠時代の戦艦大和建造時には、造船所を見下ろす所に板塀が設けられ、建造ドック には艦の長さが判らないように大屋根が半分だけ設置されていたのだとか…(衛星写真など無い時代です)
ちなみにこの丘からでは、道路が障害となって造船所の手前部分が良く見えませんが、近くにある歩道橋(いせな歩道橋)を渡った先では、もっとダイナミックに全景を見渡すことができます。
上写真の左、下写真の奥が戦艦大和を建造していたドック。
ドックそれ自体は埋め立てられ、現在ではその上屋(上述の大屋根)だけ(構造体は当時の状態)が残っているようです。
敷地内には、船体を構成するパーツ(といっても小さなビル程度のサイズのようですが…)が所狭しと並べられており、タイミングが良ければ、クレーンでの組立工程を眺めることができそうです。
僕自身、建築だけでなく製造業全般に興味があるので、この景色もずーーーーーーっと眺めていられます😁
ちなみに、先ほどの公園内には、戦艦長門(左)と戦艦大和(右)の主砲徹甲弾なども展示されています。
サイズ感が分かりにくいですが、大和の方で2m弱もあるようです。
はじめにグーグルマップで検索した時、『歴史の見える丘』って大層な名前だなぁ~と思っていたのですが、実際、ここに来てこの風景を眺めると納得。
かつて東洋一の軍港として栄え、造船業と共に歩んできた呉の誇りを象徴する景色のように感じられました。
呉の歴史を見守ってきた丘。
確かに、『歴史の見える丘』でした。