ファサード外観
通りに面した外壁は閉ざし、対して、前庭は通りに開く。木々や草花で、道行く人に楽しんでいただこうという趣向。
外観
杉板下見張り(秋田産)の外壁と、ガルバリウム鋼板の屋根で構成。 手前は杉板竪張りの塀。 前庭は通りに開き、プライベートな裏庭は、高い塀でプライバシー確保。
八ッ尾ウグイスの風見鶏。 【かつて、この敷地周辺に『八ッ尾のウグイス』がいて、その鳴き声が大変美しかった。】という伝説が残っており、それが「八尾市」の由来になったのだとか…
なんとも夢ある昔話…。 そのウグイスを風見鶏にデザインし、物語を建築に封じ込めた。
庭-テラス-リビング(広縁上部に長庇) 太陽南中時、春秋分の日射角に対し、夏至は+23.4°冬至は-23.4°という関係が成り立つ。
この関係に配慮して、南面したリビングの長庇を設計。こうすることで、春秋を境に夏は屋外で日射をカット、対して冬は室内奥深くまで日射しが入り込む。お日様と上手に付き合うための庇…
長庇の下、庭と室内をつなぐウリンの広縁。 奥行1.8m、長さ10mの半屋外空間。 そこに腰掛け家族と語らう。大の字になって寝そべる。
『何か』をする場所ではないが、あれば何かと楽しい広縁。 何と言っても、庇下の広縁は風が涼しく心地よい。 そういう場所が暮らしにゆとりを与える。
玄関
上部の鏡が、空間の奥行を倍化。
和室
LDK(奥:キッチン)
左から、庭-広縁-リビング-ロフト(右上)が平行に並ぶ空間構成。
庭を身近に感じる暮らし。その実現に向け、庭に面した外壁に7.2mの大開口を設けた。
開口上部に個室群と長庇。非常に困難な構造となったが、木構造の大家と協働し、高価な特殊材を用いることなく、安定した構造を実現させた。
リビングの大開口(窓)全開時。
室内(リビング)、半屋外(広縁)、屋外(庭)が一体の空間となる。
物見台のようなロフト(1.5階)より、3.6m幅の開口を通して庭を望む。
この空間、開口を閉じれば1人で勉強や仕事に集中、開口を開けば、リビング(1階)や庭にいる家族と会話もできる。状況に応じて家族の距離感を調整してくれるセカンドリビングのような場所。
物見台のようなロフト(1.5階)より、3.6m幅の開口を通して庭を望む。
天井も1.4mと低いロフトは、1階リビング、2階個室の中間に位置しており、家の中の隠れ家的な性格も兼ね備えた場所。
2階廊下
2階廊下
階段室
北側トップライトから、天空光が射し込み、漆喰壁に光の粒子が反射して拡散。室全体が、優しい光に満たされる。
超コンパクトな家事動線 共働き夫婦にとって、一番の悩みは家事。 できるだけ効率的にこなし、大切な家族との時間にさきたい。 それは人類共通のねがい…。だと思う。
ここでは、work flow(家事の流れ)とclothing flow(衣服の流れ)について検討を重ね、最も効率的な家事動線にまとめた。
構造実験の様子。
施主様のご厚意で、構造体完成後の2階個室に2tの積載荷重(水槽)を加え、7.2mの大開口中央部がどの程度撓むか?という実験を行った。
構造実験の様子。
結果、0.5mmしか撓まず、木組の工夫をこらした本住宅構造体の堅牢性が証明された。
構造実験の様子。