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『国会議事堂』見学ツアー…。

先日、所用で東京に行った際、国会議事堂見学ツアーに参加してきました。

一度は内部空間を見てみたかった建造物だったので、非常に興味深く見学することができました。今回はそのレポートです。
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国会議事堂 建築概要

建築面積:13,356 m²
延床面積:53,464 m²
階数:地上3階、地下1階、中央塔4階(塔屋最上部9階)
高さ:両翼20.91m、中央塔65.45m
構造:SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)
着工:1920年(大正9年)
竣工:1936年(昭和11年)
工事期間:17年

 

規模もさることながら、概要でまず目を引くのは工事期間ではないでしょうか。

大正から昭和にかけての激動の時代かつ、国会議事堂ということもあるのでしょうが、17年の工事期間には驚愕です。

 

現代ではまず考えられません。
大規模な超高層ビルでも、かかって5年まで。

 

 

如何に手間をかけて建造された建築物かということだと思います。

 

 

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写真は中央広間。中央塔(ピラミッド型屋根)直下の空間です。

 

建築的な嗜好は別にして、重厚感が圧倒的。

 

使用している材料もですが、天井、床、壁を装飾している彫刻物の数が西欧の宮殿級。

 

日本では、ここまでの彫刻を施した建造物を、僕自身、見たことがありません。

 

 

下写真は、その先に延びる中央階段。
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中央広間同様に、石造りの彫刻と立ち並ぶ列柱が権威性を象徴しています。

 

 

 

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御休所(国会開会式の当日、天皇陛下が議事堂においでになったとき、一時ご休息される部屋)の扉

 

 

この石造りの扉額縁は1つの石を彫刻したものだそうで、当然ながら継ぎ目が無いのだそうです。

 

 

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ここは、テレビの国会中継等でもお馴染みの衆議院議場。

 

中央広間の石造りとは対照的に、欅材を使用した空間で、荘厳な雰囲気が漂っています。

 

木材を使用したのは、会議室ゆえに反響防止に配慮したからだそう。

 

 

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この議場も壁、天井の欅材に施された彫刻が半端ないですねー。

 

国会議事堂という建築物の特性からか、権威性や格式が強く表現され過ぎている感があり、個人的には好みではありませんが、逆に権威性や格式の表現方法としては素晴らしく、100年以上の歴史が積み重ねられた重厚感は圧倒的で、それは歴史の重みに耐えうる自然素材を適所に使用しているからだろうと思います。

 

 

建築物には、竣工時が最高で、後は劣化していくだけのものと、竣工後、適度に手入れいながら使用すれば、時が経つほど良く(重みが増す)ものの2種類ありますが、国会議事堂は後者の代表格。

 

 

17年間の工事期間を要し、手間隙かけて建造されたということも、納得です。😀

 

 

建設費が、当時の貨幣価値で2,537万5,799円だったそうで、現在の貨幣価値だと690億円になるとのことですが、現在では集められない材料(1つの石を彫刻した額縁など)も多数あるので、同じものは2度と造れないという点から、値段はつけられないと思います。

 

 

素材の用い方、ディテールと間の取り方、勉強させていただきました。

矢野

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