『ポンペイの壁画展』へ…。
『世界遺産 ポンペイの壁画展』を鑑賞しに、兵庫県立美術館へ…。
ご存じの方も多いと思いますが、
ポンペイは、西暦79年のヴェスヴィオ火山噴火の火砕流により、わずか1日で地中に埋もれてしまったイタリア、ナポリ近郊の古代都市です。
悲運な歴史を辿った都市ですが、
わずか1日で地の底に埋もれたこと、また、火砕流堆積物の中に乾燥剤のシリカゲルに似た成分が含まれていたことで、1500年以上後に発掘された際にも、壁画がほぼ当時の状態で出土したのだそうです。
ただそのおかげ(?)で、ローマ時代の建造物や街区をはじめ、文化、生活様式までもがリアルなカタチで現代に伝えられることになったというのが、なんとも皮肉ですよね。
さて、展覧会について…。
日本人の大好きな『印象派展』などと比べると人影はまばらでしたが、展覧会としては、興味深い内容でした。
一番感動したのは、やはり、2000年前の壁画の芸術性が高いこと。
予備知識無しで行ったので、当時の文明を伝える記号化されたような壁画なのかと思っていたのですが、展示されていたのは、『絵画』でした。そういう意味でローマ時代の文化は素晴らしいし、非常に進んだ文明をもっていたということに驚かされました。当時、日本は弥生時代で卑弥呼が生まれる以前ですから…。
『壁画』だけあって、建築空間に広がりをもたせるための工夫も施されており、壁に正確に描くための測量技術などもかなり進んでいたようです。また顔料は石の粉末なのですが、色彩の豊かに描くために様々な色粉を組み合わせる技術なども発達していたようで、芸術性豊かな表現の土台として、古代ローマの技術力の高さ、交易圏の広さを感じにはいられませんでした。 😉
もう一つ感じたこと…。
修復士の方の精神力の凄さです。
展示されていた壁画は、発掘した時点では、バラバラに割れていたようです。
それらの貴重なパーツを1枚の壁画に修復するためには、非常に緊張感のある、壮大なパズルを組み立てなければならず、言葉では言い表せないような根気と精神力が必要だったと思います。 😕
自分なら、途中で絶対に発狂しているなと思って、鑑賞していました。
このような絵画の形で鑑賞できるのも、その方々の苦労の賜物。
感謝です。 🙂