天空の白鷺
ご存じの方も多いと思うのですが、
現在、姫路城では大天守の保存修理工事が行われています。
今回は、そのお話…。
姫路城をスッポリと覆っているのが、【天空の白鷺】
保存修理工事の保護施設であり、工事見学施設でもあります。
施設内部はこのようになっており、姫路城の天守のまわりを鉄骨の工事仮設が覆っています。 ガラス越しですが、間近で外壁修理の様子が見学できます。
また館内には、このようなモニターや模型が多数展示されており、
これまでの工事過程を詳しく知ることができます。
この工事と施設を見学して一番に感じるのは、工事関係者の姫路城を思う気持ちと仕事への誇り。
そして姫路市民がいかに姫路城を愛しているか。です。
ご存知のとおり、いまや国宝、そして世界遺産の姫路城であり
市民だけでなく、国民、外国人からも本当に大切にされている建築物です。
しかし、江戸から明治時代へと移った直後は、廃城令で日本中の城が
次々に取り壊され、姫路城も天守の以外の西の丸、三の丸の御殿は全て撤去…。
天守も一時期補修されますが、その後荒廃が進み、この廃墟同然の姿に…。
そんな時、この姿を嘆いた姫路市民の有志が
【白鷺城保存期成同盟会】を結成。
姫路城の補修を国会へ必死に請願し、国費にて補修が行われます。
また、戦時中には、空襲の目印にならないよう白壁を黒く偽装し、焼失を回避させます。
この城自体、勿論素晴らしいのですが、
明治時代、この城を初めに「保存しよう!」と発案してくれた人、
戦時中に、身の危険を顧みず、城を黒く偽装してくれた人の
心意気、そして城を愛する気持ちが本当に素晴らしい!と思います。
それが無ければ、私たちはこの姿を目にすることは無かったし、未来の子供達もそうでしょう。
姫路城には遠く遠く及びませんが、
少しでも地域に貢献でき、建主さんや地域の方に愛される建築物をつくれるよう
精進していきたいと思う、今日この頃でした。 😮