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『吹田のマンション』リノベーション工事中。

今回は、大阪府吹田市で、現在工事中のマンション改修工事についてのお話。
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築25年を迎えたRC造(鉄筋コンクリート造)のマンションの外観と共用部の改修工事です。
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RC造(鉄筋コンクリート造)は圧縮に強いコンクリートと引張に強い鉄筋が補完しあうことで、非常に頑丈な構造となる特性をもっています。

さらに、鉄筋をコンクリートが保護しているので、高い耐火性、耐久性があるのですが、年月が経つと、もともとアルカリ性だったコンクリートが中性化(酸化)してしまうという弱点が…

中性化することで、コンクリート自体も脆くなりますし、地震などでコンクリートに生じたクラック(ヒビ割れ)から雨水が浸入すると、内部の鉄筋も錆びてしまう(コンクリートがアルカリ性の状態だと鉄筋は錆びません)という悪循環に陥ってしまいます。

 

したがって、RCに施す仕上げ材は意匠的な意味も大きいですが、保護材としても大きな役割を果たしています。

 

その仕上げ材も25年も経過すれば劣化してきますので、今回の工事は、その更新が主な目的。
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外壁のクラック(今回工事では、このクラックを修繕した上に、耐久性の高い弾性塗装を施します)

 

 

加えて、築後25年の使用経験から、機能的、意匠的に改めた方が良い部分を改修しています。

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リノベーション後の外観イメージ

 

モノトーンでシンプルな外観ですが、白を多用しているのは、遮熱性を向上させる為。

RC造は熱容量が大きく、夏場、日中の日射で屋根や外壁が高温になると、夜間も石焼釜のように輻射熱が長時間持続します。したがって建物の内部側からの断熱対策が重要になってくるのですが、今回の工事は外部側のみ。

 

そこで採用したのが、熱くなった屋根、外壁の熱を内側で断つのではなく、そもそも、それらを熱くなりにくくするという考え方。

 

屋根に夏の強い日射が降り注いでも、その多くを反射すれば、建物は高温になりにくいので、屋根面には遮熱塗料(日光を反射させる塗料)を施しています。
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工事中の写真(屋根は11月の日差しでも眩しいくらいに日光を反射しています。)

 

外壁も同様に遮熱塗料で日光を反射させたいのですが、反射光が周辺建物まで達して住んでおられる方が眩しいので、外壁は通常の塗料に断熱パウダーを混入し、塗装色を白にすることで断熱性、遮熱性を向上させ、建物の温度上昇を軽減させる方法を採用。
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外壁塗料に断熱パウダーを混入したもの、していないものを試験塗装しているところ。

 

近年、異常気象のせいか、夏の日差しが本当に強くなってきているので、これらの対策で、少しでも居住者の方が夏場を快適に過ごしていただけると嬉しいです。

 

 

工事管理して下さっている工務店の皆様、それと職人の皆様、タイトなスケジュールで大変ですが、安全第一でよろしくお願い致します。

 

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