『吹田のシェアハウス』について
『吹田のシェアハウス』の概要
・施設用途:学生ワンルームマンション(改修後:一部シェアハウス)
・工事概要
躯体修繕、防水改修、住戸内設備機器・共用部設備機器の改新および新設、
外装、共用部、住戸内のリノベーション+エントランスホールの増築
・住戸数/階数:39戸/4階建
・築年数:築30年
・構造: RC造(鉄筋コンクリート造)
・特徴(各項目をクリックしてください)
1.一部をシェアハウスに改修 (シェアキッチン、シェアテラスを設置)
2.関西大学建築学科の学生とリノベーション委員会を設立し、入居者アンケートを実施
3.全体工事を5期に分割 (住戸内改修後、マンション内で入居者に転居いただく方式)
以下、リノベーション前後のビフォーアフターです。
befoe(アプローチ外観)
after(アプローチ外観) 撮影/多田ユウコ
before(南面外観)
after(南面外観) 撮影/多田ユウコ
外部廻りの躯体修繕後、採光とプライバシーを両立するため、半透明のガラス手摺と固定フレームを設置。突き出しているのはシェアハウスのキッチンテラス。
before(アプローチ)
after(アプローチ:エントランス→増築)
二本足で立って出迎えてくれるオートロックの玄関集合機(改修によりオートロック設備を導入)
before(エントランス)
after(エントランス増築:オートロック設置) 撮影/多田ユウコ
before(共用廊下)
after(共用廊下) 撮影/多田ユウコ
before(受水槽廻り)
after(受水槽のブラインドカバー設置) 撮影/多田ユウコ
受水槽を目隠ししながら、採光を確保するため、半透明ガラスブロックを採用。
before(ワンルームマンション前共用廊下 メーターボックス・給湯器)
after(メーターボックス・給湯器カバー設置)
露出していた給湯器、換気設備をパンチングメタルでカバー(メンテナンスのため開閉可)
シェアハウス部のbefore-after→Click here!
外観、共用部については以上で、つづいて住戸内部です。
今回のリノベーション工事では、老朽化していた住戸内部も、内装、設備を解体・撤去。一度スケルトンにしてから改修しました。
写真(解体時)
写真(界壁部の防音強化工事)
写真(クロス下地ボード張)
また、増設を繰り返して、雑然としていた
住戸内の配管、配線設備も整理。
通信系設備の改修
給排水配管設備の改修
換気設備の改修
after(住戸内キッチン:既存躯体梁型、換気経路、スペースの問題で、
ミニキッチンユニットを採用できず、ハーフユニットとオーダー式のダクトシステムにて対応。)
構造や面積の制約上、住戸内部のプランはほとんど変更できませんでしたが、
「もっと料理をし易く」との入居者アンケート結果を受け、
省スペース、ローコストで作業スペースを増やすアイデアを練りました。
after(住戸内キッチン)
結果、キッチン横の下足箱扉に可動式の作業台を設置。
料理中は、写真のようにキッチン台を拡張。
ホントにちょっとしたことですが、省スペースで料理がし易くなったと、
入居者さんには好評だそうで、私たちも嬉しいです。 😀
(最近の学生は結構自炊するのですね…。 )
after(住戸居室)
築30年の学生マンションのリノベーションで、全工期9ヶ月、5期に渡る工事。
入居者がお住まいの状態で、内外装+設備を含め、構造体以外のほぼ全ての部分を改修することに加え、その一部をシェアハウスにするという複雑な工事でしたが、このリノベーションによって、老朽化していた建築物が命を吹き返し、また20年、30年と、その役割を果たしてくれることを期待します。